平成29年度科研費の公募が開始されました
- 2016年09月01日
平成29年度科研費新学術領域研究の公募が開始されました。
19 細胞死を起点とする生体制御ネットワークの解明
https://toyaku-ls-immune.com/dying-code
領域略称名: ダイイングコード
領域番号: 3601
設定期間: 平成26 年度~平成30 年度
領域代表者: 田中 正人
所属機関: 東京薬科大学生命科学部
これまで細胞死は細胞の一生の最終過程であり、生じた死細胞は単に捨て去られる存在であると考えられてきた。ところが近年、この死細胞が実は情報の発信源となり、免疫応答、炎症、修復、再生、線維化といった細胞死後の様々な生体応答の起点となっていることが明らかとなってきた。また最近、アポトーシス以外にも複数の計画的(分子により制御された)細胞死プログラムが存在することが分かり、これら細胞死の意義に注目が集まっている。
本研究領域では、死細胞から発信されるメッセージをダイイングコードと名付け、その同定と機能解析を通して、細胞死を起点とする生体制御ネットワークの全容の解明を目指す。生体に存在する複数の細胞死プログラムが、それぞれどのような生理的・病理的状況で実行されるのかを明らかにするとともに、各細胞死に固有のダイイングコードが、生体応答に果たす役割を明らかにする。こうした一連の解析を通して、最終的に生体内での各細胞死プログラムの存在意義を詳らかにすることを目指す。
このため、以下のA01、A02の研究項目について、「計画研究」により重点的に研究を推進するとともに、これらに関連する研究を公募する。A01ではアポトーシスを含む制御された細胞死(パイロトーシス、ネクロプトーシス、フェロトーシスなど)の分子メカニズムの解明やその生理的および病理的な意義の解明、また、これらの細胞死の可視化技術や細胞死制御化合物の開発や創薬に向けた研究などを歓迎する。A02では組織傷害後の再生・修復などの生体応答や疾患の病態を規定するダイイングコードの同定とその役割に関する研究、独創的なスクリーニング法を用いて新規ダイイングコードを同定する研究、また、これまでの枠にとらわれない独創的な研究を展開する若手研究者や異分野からの積極的な応募を期待する。
研究項目
A01 多様な細胞死の分子機構と生体内での捕捉
A02 細胞死を起点とする生体応答とその異常
応募上限額(単年度) 採択目安件数
500 万円 6 件
300 万円 8 件
(平成27年度公募研究 平均配分額 284 万円 最高配分額 360 万円)