Keystone symposia

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    進藤綾大
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    国際学会参加記〜Keystone symposiaに参加して〜
    東邦大学医学部生化学講座 博士課程4年 進藤綾大

     本参加記の執筆を始める前に、出張経費を御援助いただいたダイイングコード 領域代表である田中正人先生に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
     H29年2月5日から9日まで米国コロラド州キーストンで開催された Inflammation-Driven Cancer: Mechanisms to Therapy / Microbiome in Health and Diseaseに参加し、本学会が人生最初の海外、そして国際学会となりました。Inflammation-Driven Cancer: Mechanisms to Therapyではがん形成に関わる細胞内外のイベント、すなわちimmune cellsやstromal cellsとcancer cellsのクロストークの結果もたらされる炎症の誘発・ゲノムの不安定性の増加・細胞の生死のバランスの破綻・周辺微小環境変化にfocusが当てられていました。一方で Microbiome in Health and Disease では生体内に数多く生息している常在細菌叢と ”恒常性維持” ないしは ”疾患の惹起” の関連性のほか、どのようにしてヒトの常在細菌叢の変化をモニターし、またどのようにして疾患発症のリスクを予測・低下するかがキークエスチョンとなっていました。両programを自由に行き来することができるため、渡米前より胸が高鳴っていました。
     さて会期初日、夕刻より執り行われた Welcome mixer では知人・友人との再会で会話に花開き、和やかなムードに包まれていました。そんな中、国際学会初参加の私の心は終始緊張で張り詰めていたことは言うまでもありません。緊張と興奮で寝不足で迎えた翌朝、Lisa M. Coussens ならびに Sarkis K. Mazmanian による講演で両ワークショップがスタートしました。4日間にわたりFiona M. Powrie, Michael Karin, William Michael Dunne, Dan R. Littmanをはじめとする世界的権威のトークはどれも非常に興味深く、研究デザインや手技だけではなくプレゼンテーション方法も勉強になった時間でした。1つ残念だったことは予定されていた坂口志文先生のトークが中止となってしまったことです。日本の免疫学の第一人者のトークを聴いてみたかったと、今もなお悔いが残っています。夕食を摂った束の間、3時間もの長時間にわたりポスターセッションが行われ、この時間もまたワークショップと同様、時間ギリギリまで白熱した議論がなされていました。
     今回私は、”Short form FLICE-inhibitory protein promotes TNFα-induced necroptosis in fibroblasts derived from CFLARs transgenic mice” という演題でポスター発表を行ってきました。発表の時間が近くにつれて ”畑違いでは?” と一抹の不安にかられましたが、いざ始まると思い過ごしであったと安心しました。本学会が “がん” そして ”常在細菌” のフィールドであったこともあり深いディスカッションには到りませんでしたが、少しでも多くの研究者に現在の細胞死の概念を、また自身の一手技を教える事ができ有意義な時間であったと思います。何よりも普段使わない英語で誰かと話す、ネィティブの英語に触れる事のできた時間が私には非常に貴重であったといえます。
     最終日の夜は、米国らしくダンスパーティーで締めくくられました。フロアに鳴り響くクラブミュージックに心も身体も躍らせ、疲れを吹き飛ばしているようでした(先刻まで全力でディスカッションしていた権威たちからは想像もつきませんでしたが)。
     今回の国際学会で感じたことは、”いつの日か選ばれし研究者とともに口頭で発表したい” そして ”今のままでは足りない” の2つです。大学院生活の終わりを迎えようとしている今、初心に還り、日々の生活に励もうと思います。初めての渡航は珍道中ではありましたが、本当に良い経験であり心から楽しかったです。

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