文部科学省 科学研究費補助金

領域の内容

本領域では細胞死の分子機構と、それらを起点として惹起される生体応答を解析し、それぞれの細胞死が担う生理的・病理的役割を明らかにすることを目指す。具体的に、
1.種々の細胞死実行機構を分子レベルで明らかにするとともに、検出法やイメージング技術の開発により、各細胞死が、生体内のどのような生理的・病理的状況で起きるのかを明らかにする。
2.それぞれの死細胞が発信するメッセージの分子基盤と、それにより起こる生体応答を、死細胞処理、免疫応答、炎症、修復、再生の観点から解明する。
領域内では、各計画研究班が互いに相補・協調しながら研究を進めると同時に、領域内で1つの組織傷害モデルを取り上げ、細胞死機構、死細胞処理、炎症、修復、再生研究を専門とする領域メンバーが、各々の立場から素過程を解析し、得られた知見を統合することを試みる。これらの取り組みにより、「細胞の死それ自身だけでなく、死細胞が発信する情報が生体応答を規定する」というコンセプトを確立し、死細胞が多細胞コミュニティーの制御とその破綻にどのように関わるのかを包括的に解明する。